FEELIN'FELLOWS

わたしは映画でも音楽でも小説でも、鑑賞していて自分の生活や周りのことを思い出すものが自分の中でいいものと定義しているところがあるし、そのために鑑賞しているといっても過言ではないくらい思い出たちを愛している。(だからいつまでたっても内容が覚えられない。)

FEELIN'FELLOWSでわたしはいろんな事を思い出していた。

ミツメのエスパー(ド名曲です)を聴いているときは地元の海辺を思い出すし、A LONG DAY をかけながら家事をする気持ち良さを、CD貸してくれた友達を、カジヒデキを聴いているときは SONGBIRD COFFEE のチーズケーキをちびちびと大切に食べると一等美味しい事を思い出していた。
小西さんのDJでは、毎週のように遊びに行っていた京都METROにいる気分だった!あの暗い空間で何人の人と出会っただろう。年齢も性別も国籍も関係なく汗だくになりながら踊ったフロアを、ロッカーのとこに座り込んで友達と話したことを、目にしみるほど鮮やかで眩しい鴨川の水面を朝日を、踊り疲れて助けを求めるように歩いて向かう早起亭うどんの優しさを。実際にはいつも酔っ払っているのでやっぱり全然覚えてない日の方が多いんだけど。

いままで自分の選んできたものを肯定できる瞬間があるのってなんて幸せなんだろう。DJを聴きながら、京都にいて、メトロにいて良かったなと思った。

同じように、下北沢THREEがあって良かったなと思う。なんというか、表現があっているかわからないけど そこにいる人たちからはちゃんと 自分たちの遊び場を愛して、守って、カルチャーを育てていこうという気概を感じる。残念ながら現代社会においてそうたくさんいない「かっこいい大人」がちゃんといてくれる。だからいつでも安心して、地下の赤くて重いドアをするりと開けることができる。(本当はまだ少しだけ緊張するけど、ドアを開けてしまえばこっちのもん。好きな音楽が聴こえる。)

そんな気持ちでリキッドルームへ行った。きっと楽しいんだろうなって。過去と今や、愛する生活とカルチャーが地続きであることをしっかりと感じられたし、そこにいる人たちの笑顔を見て嬉しくなった。

 

毎日仕事がつらくても、全部うまくいかなくても 重い二重扉を開けると 流れ星がきらめくうちに一瞬で朝になってしまうような こんなにも眩しい夜があることを知っているんだから。ヒットチャートにも素敵な音楽があふれて、かっこいい大人がたくさんいる未来がいいよね。それを実現するのはわたしたちである。そんなことを考えながら電車に乗って夜勤。週末になればわたしはまた、きっとお気に入りの服を着て 心弾ませながら下北沢へ向かうのだ。