CHIIO / ODDITIA

CHIIOの新しいアルバムが出た。

私はいま仕事終わりにタクシーから降りて歩いている途中聴いていて、なんとなく家に帰りたくなくて家の目の前の公園に座ってしばらくぼうっとしている。実家にいたら、近くの堤防に寝転んで聴いているんだろうなと、懐かしくて優しい気持ちになる。

お気に入りのタオルケットや動物園で買ってもらったシャチのぬいぐるみ、子供の頃に大事だったものを思い出した。はじめて夜に一人で自販機までコーラを買いに行ったこと(自販機まで行く途中、駐車場の横に小さな廃病院がありその傍の電灯が怖かった)、海からあがった時のシャワーの柔らかさやエアコンにあたって眠りに落ちていく気持ち良さ。

私はいま単に懐かしんでいるのではなく、子供の頃持っていた好奇心を感じているのだと思う。誰にも意思決定される前の気持ち。きっとそれは彼らが持っている好奇心や探究心を私に分け与えてくれたのだろう。

たお君が本当に良いものができたかもしれない、と笑顔で話してくれた時すごく嬉しくなって、ずっと楽しみにしていた。遠出の前の日みたいに心待ちにしていた。本当にいいよ。

眠るときにビー玉を二燭に透かして作った小惑星や、撫でられた暖かな手を想う。もし深海や宇宙で音が聴こえたなら、CHIIOの音楽がいい。